Interview

社長インタビュー

2. 現在のアニメ制作スタイルについて

ファンワークスは、十数名という少ない社員数で
多くの作品を作っていますね。
役職の割合はどういったものでしょうか?

そこまで細かく役職を分けておらず、クリエイティブ部門、プロデュース部門、経理・総務部門の3つに分かれています。クリエイターよりプロデューサーが多いのも特徴ですね。

プロデューサーよりクリエイターの
ほうが少ないのは意外です。

実際にアニメを作る仕事でいうと確かにクリエイターが一番多くなりますが、うちは外部のクリエイターと協力する形で仕事をしているので、必ずしも社内にたくさんのクリエイターを抱える必要は無いんです。特定の組織に属さない個人クリエイターの方々と仕事をすることも多くあり、基本テレワークで作業を進めてきました。個人クリエイターは自宅で作業をする人が多いんですよね。基本みんな外に出たくないというか(笑)『やわらか戦車』や『アグレッシブ烈子』の監督であるラレコさんは、創業以来、自宅のある茨城県つくば市で作業されています。地方や自宅に理想的な作業環境があるのならば、それをそのまま使えたほうがいいんじゃないかというのが元々の発想です。
クリエイターのネットワークを作り、それを管理するのがプロデューサーの仕事なので、仕事の数が増えるにしたがってプロデューサーの数も増えました。更に現在は、年々数や規模が増すプロジェクトや、数年先の企画に対応できるように、社内のクリエイターも増やすべく募集しております。

そういった制作スタイルをとっていることは、
アニメ制作会社としては珍しいことでしょうか?

そうかもしれません。通常のアニメ制作会社は自社の中で制作ラインを組みます。大規模な映画を制作する場合は一本のラインを、30分もののテレビシリーズを作る場合は複数のラインを社内に作るといった具合です。だからアニメ制作会社の「仕事がいっぱいでこれ以上受けられません」というのは、ラインが埋まっていますってことを指すことが多いです。それに対してファンワークスは、社内に固定の制作ラインを持つということをやめています。仕事が来てからオーダーメイドでラインを組み上げる形をとっており、しかも社外の方ともラインを組める作り方をしています。ネット上でのテレワークが前提でラインを組んでいるので、ちょっとイレギュラーなことをやっているのかもしれません。

©TAKAHASHI SHOTEN/NHK、NEP、ファンワークス
©2021 Space Academy/ちょっくら月まで委員会

オフィスに行かなくても仕事ができることを
求められる今の社会においては、
かなりメリットの多いシステムのような気がします。

そうは言っても顔をあわせてやったほうが良いことも実際あるんですけど、集団で集まらないとできないやり方の限界は、新型コロナを経験して特に強く感じます。アニメ業界だけじゃなくて世の中全体的にそういう風潮にはあったと思うんですよね。ネットがどんどん便利になって家で仕事ができちゃうし、職場に行かなくてもいい方法を考えたほうがいいよねっていう。こういう事態になったときに全くノウハウが無かったりすると多分苦労すると思うので、こういった仕事の方法に慣れていたことは良かったなと思います。