Interview
社長インタビュー
3. ファンワークスが行うトータルプロデュース
アニメ制作を行うだけでなく、その運用やプロモーション
施策までをトータルでプロデュースしています。
どうしてこのような体制をとるようになったのでしょうか?
施策までをトータルでプロデュースしています。
どうしてこのような体制をとるようになったのでしょうか?
元請けと言われるアニメ制作会社の社内体制って、セクション毎に細かく分けられているんです。例えば、ある場所に、いわゆる制作現場と呼ばれるスタジオがある一方で、より便利な別の場所に営業オフィスが存在する、という風になっています。そして両方にプロデューサーがいますから、同じ作品を担当していながら、プロデューサー同士があまり顔をあわせないってことが起きてしまうんです。大きな規模の作品を作るとなると制作と営業をそれぞれ専門化させることは確かに必要になるので、そのシステムが一概に間違っているとは言えません。だけど僕らは数分単位のショートアニメを作ることが多いので、それを分業化することはあまり効率的とは言えないのです。なので、決まったプロデューサーが、制作段階からその後の作品の運営まですべて一括で管理する仕組みにしています。
日本は今、プロデューサーが足りていないとよく言われるんですが、それは、トータルプロデューサーがいないってことなんです。でもそれは誰が悪いって訳ではなく、仕組みの問題に帰結します。だから、その仕組み自体を変えてしまうのが一番時代に即しているかなと考えて、こういう形にしました。
作品が出来上がった後のプロデュースまで行うことによって、全体的な視点から作品を管理することができるのですね。制作段階とその後の展開、どちらにより力を入れているのでしょうか?
作品が出来上がった後が実はかなり重要だと思っています。ターゲット、コンテンツ展開、プロモーション施策など、そういったことができていないと結局コンテンツとして成立しません。ただし、作品そのものが良くないと絶対売れないので、両方大事ですね。
一つの作品にかける時間や労力が増えることには、
デメリットも生じてしまうのではないでしょうか。
デメリットも生じてしまうのではないでしょうか。
制作会社的には、良く言えば面倒見が良いということだと思いますが、それが結局は合理的だと思っています。一つずつの作品でちゃんとヒットを出して、コンテンツを展開し、確実に制作費を回収していったほうが、無駄な労力が無くなるんですよ。曖昧に作ってしまうと、結局多くの作品を作らなければいけないことになるし、経営的に言うと自転車操業になるんですよね。作品を作り続けて、そのサイクルが止まったら潰れてしまうっていう。最近アニメ会社が倒産する原因の多くにそういった側面があります。そうしていくうちに資金が回らなくなり、更に仕事をしなければいけなくなって、どんどん人を雇って、それで肝心の作品の質が落ちてしまう。そうした悪循環にならないためにも、一つずつを最後まできちんとこなすほうが確実だと思います。